vol.5 評価と非評価のデュアルシステム ―「測る支援」と「待つ支援」の共存

福祉や教育の現場において、「評価(アセスメント)」は欠かせないプロセスです。しかし、評価が強まりすぎると、目の前の一人ひとりが持つ「ありのままの輝き」が、数値や指標の中に埋もれてしまうことがあります。

私たちが提唱するのは、どちらか一方を選ぶのではなく、相反する二つの機能を同時に回し続ける「デュアルシステム(二重構造)」という考え方です。



「測る支援」と「待つ支援」の共存

デュアルシステムとは、性質の異なる二つの「眼差し」で構成されています。

① 「評価」の眼差し ―― 測る支援(アウター)
        •      役割: 療育的・医学的アプローチ。

  •      目的: 特性を理解し、必要なスキルや環境調整を導き出す「ナビゲーション(航海術)」。

   
   ② 「非評価」の眼差し ―― 待つ支援(インナー)
  •      役割: 居場所的・心理的アプローチ。

  •      目的: 評価の物差しを一度預かり、存在そのものを保障する「心の安全基地」。



居場所・療育連携 ―― 「よつば」とつなぐ安心の場

このデュアルシステムを地域社会で具体化したものが、本別町児童発達支援センター「よつば」との連携です。

私たちは「よつば」での療育経験を最大限に活かし、お子様の特性に合わせた「安心できる居場所」を提供しています。

    • 療育で個性を知る
      「よつば」での専門的なアセスメントに基づき、その子にとって何が「安心」で、何が「挑戦」になるのかを科学的に理解します。

  • 居場所で自分を生きる
    療育で育んだ自信を、すてっぷという「非評価」の場で、主体的な活動へとつなげます。

療育から自立支援へ。この二つの場を往復する「途切れのないサポート」こそが、健やかな成長を支える土台となります。



「揺れ」を支え、意思を肯定する(葛藤コンフリクトの活用)

利用者が「やってみたい(チャレンジ)」と「怖い(安心したい)」の間で揺れ動くとき、そこには強い葛藤(コンフリクト)が生じます。

私たちはこの揺れを「不安定さ」とは捉えません。むしろ、「新しい自分へ向かおうとするエネルギーの証」として大切に扱います。

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  • 安心があるから、チャレンジできる ⇔ チャレンジして失敗しても、安心(非評価の場)がある

私たちは、結果(成功か失敗か)で人を判断しません。
迷いながらも「やってみよう」と決めた本人の意思そのものを、全力で肯定します。



最後に

存在を支え、再出発の基盤をつくる

「できない状態を変える前に、まず存在を支える」
「よつば」と「すてっぷ」という二つの眼差しが手を取り合うことで、居場所はただの「優しい場所」を超え、人が真に再生するための「再出発の基盤」となります。

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